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コピーライターから見た日常
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文化本
もともと外で遊ぶのが好きな私が本格的に本を読み始めたのは、
おそらく井上靖の「風林火山」以降なので、
サッカー部を成績が悪すぎてやめたあとの、高校2年生の時なのではないかと思います。

それまでは、読むものといえば、マンガでした。
小学生の時には姉と妹と、それぞれ自分の好きなマンガを単行本で集めていて、
姉が「うる星やつら」とか、なぜか「ドラゴンボール」が好きで、
私が「ドラえもん」「キン肉マン」「キャプテン翼」「こちら亀有公園前派出所」が好きで、
妹が・・・あいつ俺たちの買ったマンガ読むだけで、自分では買ってないよな・・・さすが末っ子。

中学生のころからは、マンガは雑誌でした。
そう、週刊少年ジャンプです。

当時は流通が発達していなかったからか、北九州市とは海峡を挟んで向こう岸の、
山口県まで買いに行くと、九州での発売日よりも1日だけ早く買えるから、
なんて理由でわざわざ買いに行くクラスメイトまでいました。

田舎って、ヒマだったんですね。

もっとも、私はお金がなかったので買えなかったですが、誰かが教室で読んだものを、
最後に回してもらって、読んでいました。

当時はそういったマンガや、そしてファミコンが、親世代や世論の、子どもへの攻撃対象でした。
マンガを読むと想像力を失うとか、ファミコンが運動不足を生み出しているとか。

ごもっとも。
ですが他方で現在の日本らしさがマンガやゲームにあることを考えると、
安易に一面だけを見ることはできないですね。
日本らしい伝統社会を脅かす存在は、いつもそんなイバラの道を歩くことになるのでしょう。

私は古くからある日本文化もとても好きで、今は以前よりその思いを強くしていますが。

コピーライターの世界も、独特の日本文化だと思います。
「広告は視点だ」と私は常日頃から言っているので、その意味ではコピーも視点が新しかったり、
共感できるものであったりすれば、言葉としての表現の半分は完成されていることになります。

そしてもう半分の言語としての表現が、日本のコピーライティングの独自性を作り出しています。
包み隠しながら表現する日本語の特殊性に助けられながら完成した一流のコピーたちは、
そのすべてが心に響くものばかりです。

PIEブックスから、「心に残る名作コピー」が発売になりました。


今回、縁あって、コピーライターの大先輩である赤城廣治さんといっしょに、
その名作たちの解説を書きました。

とても恐れ多いことです。
そのほとんどのコピーが、今も現役で活躍されている名手たちの手によって生まれたものなので、
もちろん東京コピーライターズクラブをはじめとするいろいろなところで
実際に出会い、話をする人たちばかりです。

その諸先輩たちの反応に、今からドキドキしています。

この本には、あまり古すぎない1980年代から、ここ数年までの名作グラフィック広告が収められています。
私が幼少の頃、どんな時代背景があって、だからこそどんな意味を持ったコピーだったのか。
そのことがよくわかる一冊になりました。

広告は一過性のものである限り、その時代や文化といった背景を利用することが多く、
だからこそ、のちに名作と言われるようになっても、当時を知らなければそのコピーを
理解することができない、といった現象が起こります。

たとえば仲畑貴志さんの丸井のコピー「好きだから、あげる。」は当時の贈り物が
お中元やお歳暮という需要しかなかったという背景で登場したからこそ、
「好き」という理由で誰かにモノをあげるという提案は、時代に衝撃を与えるコピーになりえたのです。

それはコピーライターになって勉強して初めて知ったことでした。

この本には、この仲畑さんのコピーをはじめとする225の名作が収蔵されています。

権利関係の影響も少なからずあり、名作中の名作と言われるものがないこともありますが、
その代わりに採用することができた名作も多くあります。

ゴールドの表紙は、本屋さんに積まれていてもとても目立ちます。
私のように地方に住んでいた人に取っては、この本で初めて触れる広告もあるでしょう。

これから自分の生み出すコピーも、将来こんな形で本の中に登場できるだけのパワーを
持つものにしたい。

そう思った、ひとつの仕事でした。
posted by 原 晋 | 16:10 | 広告 | comments(0) | trackbacks(0) |
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